かばのはこ

病気の子どもと過ごす生活の知恵!

「ファミリーハウス」を知っていますか?~難病治療のため家族と離れて病院で過ごす子どもたちのために

娘が病気を発症したときによく言われました。

「東京に住んでてでよかったね」。

娘がお世話になっている病院では全国から子どもたちが集まっています。中には海外からの患者さんもいました。そんな時の悩みの種が家族の付き添い問題。乳幼児期は24時間付き添いが義務付けられているところもあれば、家族の宿泊は不可としているところもあります。病院や症状によって規則は違います。しかも、

難病の患者さんは一か月の入院は当たり前ですし、半年以上病院にいるお子さんも珍しくありません。

となると、支える家族は苦しい選択を迫られます。

  • 家族は自宅に戻り、子どもは病院に残り辛い治療を一人でのりきる。
  • ホテルに連泊し、のりきる。
  • 賃貸アパートを借りる。

どれをとっても胃がひっくり返るような厳しい状況です。

ただでさえ慣れない土地に来て子どもの看病をすることはストレスです。仕事を休職していらっしゃる方も多い中、治療費以外の宿泊代がかさむことは大きな負担です。

そんな患者家族を支える取り組みがあります。

それが、ファミリーハウス

ところが、入院中に出会うご家族でこの存在を知らない方がまだまだいらっしゃいます。この施設の存在を知らず、土地勘もないためにホテルに滞在しながら、自分は一日一個のおにぎりを食べ、子どもが残す病院食を食べて耐え忍ぶお母さまに出会いました。

営利目的ではないので宣伝も多くされていません。病院もすべてを把握しているわけではありません。そのために、情報を必要としているご家族の方に、情報が届いていないんじゃないかという思いからファミリーハウスについてまとめました。

ファミリーハウスとは

難病治療などのため、自宅から遠く離れた病院に長期入院する子供とその家族を支援する活動。また、そのための施設。病院の付近に、家族が格安で利用できる宿泊施設を用意し、患者の不安や経済的負担を軽減するもの。

ファミリーハウス【family house】の意味 - goo国語辞書

1泊1000円~3000円前後の宿泊料です。

このファミリーハウスの存在は知っていたのですが、がんを患うお子さまの家族しか使えないと思っていました。そんなことはなく、「難病」を患うお子さんを支える家族ならだれでも利用できるはずです。ただ、施設によって異なる基準があるので、連絡をしてみてください。

日本全国のファミリーハウスリンク一覧

病院が運営しているファミリーハウスは容易に情報が得られると思い、割愛しました。特に「子ども病院」ではファミリーハウスを併設している場合が多いので、まず、病院に確認してください。

今回は、病院外で運営されているものを主にまとめています。検索して探したものなので、HPをもっていないファミリーハウスもあるかもしれません。すべてを網羅しているわけではないことをご了承ください。

東京

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北海道 

東北地方 

関東地方

東海地方

北陸地方

近畿地方

四国地方

九州・沖縄地方

 

▶JHHHネットワーク (日本ホスピタル・ホスピタリティ・ハウスネットワーク)

▶相談したい – 認定 NPOファミリーハウス

 JHHHは、多くのハウスを検索できるようになっています。NPOファミリーハウスは電話での相談などきめ細かい対応をされています。日本全国のファミリーハウスを把握しているのは、この二つの団体ではないかと思います。ぜひご覧ください。

疑問!障がいがないから使えない??

娘は、毎年1ヶ月程度の入院を数回し、常に薬を飲まなくてはなりません。ひどい時は半年入院をしていました。けれど、調子が良い時は普通に友達と遊べます。自立した日常生活をおくれるので、娘が難病という意識がありませんでした。入院中に出会うお子さんたちは、もっと命の危険にさらされながら病気と闘っているのを見ると難病という言葉を使うことすらはばかれると思っていました。けれど、1ヶ月から半年の入院はやっぱり辛い。もし、病院が遠かったら家計は破たんしていました。

私と同じように、その存在を知っていても障がいがないから使えない・がん患者以外は使えないと思っている方がいるとしたらそれは違います。ファミリーハウスは、高度な治療を必要とするために家から離れて大きな病院に入院する子どもと家族を支えるものです。長期入院する必要がある患者さんなら受けいれてくれる可能性が高いのです。まず、確認してみてください。

ファミリーハウスの知名度 

自分の子どもが重い病気になるなんて誰も心の準備をしていません。子どもが家から遠く離れた場所に長期入院しなくてはならない状況になったとき、検索窓に「ファミリーハウス」と入れられる人がどれだけいるでしょう。

ファミリーハウス設立のために力を注いでくださった方が多数いるというのに、認知度が低いのはとても残念なことです。実は、私もその名前を知りませんでした。

もう一度書きます。

「ファミリーハウス」とは、高度な医療を要する病気を抱えるお子さんが家から離れて長期入院する必要が迫られたときに、その家族を支援する活動およびその施設のことをさします。

不動産、ホテル、老人介護施設でもありません。言葉の意味から商業施設や家族向け不動産でも使われるので紛らわしい。多くの方に、ファミリーハウスの意義と活動を認知していただけたらと思います。私は、ファミリーハウスの関係者ではありません。ボランティア活動をしているわけでもありません。ただ、遠方からきている長期入院患者のお母様がその存在を知らなかったことが衝撃だったのです。

さらに、知っているファミリーハウスが閉鎖される噂を聞きました。子どもが少なくなっているからなのでしょうか、利用者が少ないからなのでしょうか。高度な医療が行われる病院は限られています。多くのお子さんが治療をあきらめなくても良いように、ファミリーハウスが継続して運営できることを願っています。

おわりに

健康は当たり前ではありません。もしかすると、生きていることの方が不思議なのかもしれません。高度な医療は誰もが必要になる可能性があります。「ファミリーハウス」を、親はもちろん子育てに関係するすべての人に知ってほしい。「児童館」「病児保育」といった、誰もが知っている重要なキーワードとおなじくらいこの「ファミリーハウス」という名前が広がってくれることを期待して記事にしました。

 

自分が書いたものを拡散させることは好きではありませんが、この記事だけは多くの方に目に触れてほしいと思います。どうかよろしくお願いします。

 

*別のブログも運営していますが、それは娘が元気に楽しく過ごせる時間を切り取った記録です。最近はとても調子よく嬉しく思います。いつまでも続くことを願わずにはいられません。「こどものあそび観察日記」

関連リンク

認定 NPOファミリーハウス – 闘病中のあの子が、「ただいま」と帰る場所を病院近くに

www.jhhh.jp

www.ccaj-found.or.jp 

www.dmhcj.or.jp

www.aflac.co.jp