かばのはこ

病気の子どもと過ごす生活の知恵!

ワクチンは誰を守るのか~小児慢性特定疾患の子どもをつ母の雑感

上手く言葉にできず、悶々としていた私の気持ちを分かりやすく書いてくださった記事を見つけたのでご紹介します。

周囲の人の多くがワクチンを受けていると、受けている人自身も、受けていない人も守られます。先天性の免疫不全・免疫が弱くなる病気や治療をしている人が守られるのはとても大事なこと。実際には、存在しないワクチンによる不利益を恐れてワクチンを打たない人も、このように感染から守られます。

yasumi-08.hatenablog.com

☝黄色と水色の図に書かれていることは、予想を覆すものです。ぜひご覧ください。

この記事を読むと、集団で生活する場において、多くの方がワクチンを接種することで初めて安全が確保されるんだなということが改めて実感されます。

反ワクチンの考えをもつ方がいたとしても、定期予防接種を受けている方がほとんどという前提のおかげで、娘は特別支援学校ではなく、普通の学校に通うことができていることを、この記事を読んで感じました。

そこで、娘の病気と予防接種のかかわりについて、だらだら書いてみたいと思います。

 

感染症から逃げる生活

この記事で話題にする感染症は、定期接種が定められているA類疾病(BCG・麻しん・日本脳炎水疱瘡など)というつもりで書いています。

 

 娘は、小児慢性特定疾患に指定されている病気により免疫力が弱い状態で生活を送っています。水疱瘡などのワクチンもうつことができません。免疫力が弱いというだけで見た目は健康そのものなので、普通の学校に通っていますが、万が一水疱瘡にかかってしまったら命が危ないと言われています。

今は、学校と連携を取り、感染症の情報をいち早くキャッチしたら、人知れずそっと休ませる日々です。本人は元気でどこも悪くなくても。インフルエンザシーズンは、自宅学習です。

つまり、

感染症から逃げるような生活を送っているのです。

娘が病気になってはじめて、感染症を恐れながら生活している人がこんなにもたくさんいるんだということに驚かされました。

ガンを患っている方、リウマチなどの膠原病、腎臓の病気、移植を行った方、放射線治療を行った方、、、、書き出しきれません。

今は医療が進歩し、通院治療、内服治療をしながら、普通の生活を送っている方がたくさんいます。そして、免疫機能が低下し、感染症にかかりやすく重症化しやすい、そんな不安と隣り合わせで生きています。

娘が病気になって、実は私も、、、と近所のおばあちゃんが、壮絶な闘病生活を送っていることを教えてくださいました。見た目では全然分からなかったのに。多くの方が、病気とうまく付き合いながら生きているのです。

ワクチンは誰を守るのか

予防接種をしない選択をする方が知人にもいました。

予防接種をすることで、起こり得る弊害をいくつか伺いましたが、それらは全部自分の子どもに向かうワクチンの副作用に関する問題ばかりです。生活の中で、赤ちゃん、妊婦、病気の方と接する可能性があることへの想像力のなさに愕然としました。

でも、そんな知人を私も責めることができません。

娘が生まれたばかりの頃、予防接種は自分の子供を守るため!!と思っていました。自分の子どものことしか考えていないという点では、私も大差ありません。家族がみんな健康だと、体が弱い人への意識が向かないものです。

けれど、娘が病気になってはじめて社会に目がいくようになり、予防接種は、集団生活を送るために必要なものだと思うようになりました。最初にご紹介した記事はそのことが、とても分かりやすくかかれています。

 

ワクチンをうつことで守れる命は、自分の子どもだけではなく、周囲の人の命でもあるという意識って大事です。

そして、もし、感染症にかかってしまったら、知らないうちに出会った誰かの命を危険な状態にさらしているのかもしれない。お子さん自身は軽症に済んだとしても、身近な誰かを危険な状態にさせているのかもしれない。それはもしかしたら、自分の一番大切な人かもしれない。そんな想像をしてもらえたらなと思いました。

 予防接種がうてなかった後悔 ・うてない恐怖

最後に、予防接種を躊躇されている方に伝えたい。

ワクチンについて真剣に考えている方は、お子さんの免疫を高めるために様々な努力をされていることと思います。また、うたないという決断をするにいたるまで、いろいろなことを考え勉強されたことと思います。

でも、免疫にかかわる病気は、ある日突然そんな努力をあっけなく無にするのです。

 

もし、お子さんが、将来、免疫にかかわる病気になったとしたら、

 その時にはもう、予防接種をうつことはできないんです。どんなにうちたくてもうてず、ひたすら恐怖におびえながら感染症から逃げるしかないんです。

感染症にかかったら、ICU(集中治療室)に入る可能性が高くなります。でももし、予防接種をうっていたらそんな不安がから解放されるのです。

 

突然病はやってきます。両親・祖父母・兄弟・共に健康、長生き家系。出産した時も何の問題もない健康優良児だったのに、ある日突然、娘は病気になりました。

娘は幸い、保育園入園を予定していて、うてるだけのワクチンを全部うっていたのが救いです。おかげで、そのストレスが緩和されていますし、普通の学校に通うことができます。

でも、年齢に達していなかったり、もうちょっと後でもいいやと思ってしまったワクチンの抗体はありません。特に、水疱瘡のワクチンは、悔やんでも悔やみきれません。予約していたのに、たまたま仕事のスケジュールがあわず、先伸ばしにしてしまいました。その後、病気が発症してしまった今では、もう、ワクチンをうつことができません。免疫力が落ちているので、予防接種で病気が発症する可能性があるのです。 

あの時、うっていれば。という、後悔の念は消えません。母子手帳を見るたび胸が痛い。予防接種より仕事を優先させた私のせいで、娘は一生水疱瘡の恐怖に怯えながら生活しなくてはならないのです。

 

元気な子どもの姿を見ていると、それが永遠に続くかのように思いますが、命は儚い。

我が家の経験が何か考えるきっかけになれば幸いです。