かばのはこ

病気の子どもと過ごす生活の知恵!

子どもが入院したときのテレビ問題。お金はかかってもあえてテレビを見せる。

病気などで入院し、病状が悪化しているときは大変ですが、落ち着いてくると暇なものです。そんな時、テレビは貴重な娯楽です。

ところが、そう簡単には視聴できないことは、経験された方ならよくご存知ですよね。

 

娘が入院した病院では、1000円で10時間見ることができます。

つまり、1時間100円。

 (この、価格設定については怒りが沸いてきますが、その話はまた別の機会に。)

 

ところが、最近では、病院のテレビに代替する他のメディア、

スマホタブレット・DVD などなど

いろいろ選択できる時代になりました。

 

1時間100円のお金を払うのがもったいないと思えば、テレビを観なくても済みます。

けれど、敢えてそれだけのお金を払っても、幼児期の娘にテレビを見せるようになりました。

今回は、どうして、テレビ積極的に使うようになったのかその理由を書いてみたいと思います。

 

*ただし、娘は持病があり長期入院を頻繁にするので、1週間程度の短期入院の場合は参考にならないかもしれません。

季節が過ぎていくのを感じさせるために

その理由は、なんといっても、

季節と日付を意識させるため

入院生活が長くなると、ものすごく毎日が単調になります。さらに、完全に空調が管理されているので季節を感じることが少なくなります。

 そんな時、季節感を大切にしたEテレの存在は大きいものでした。幼児期の子どもたち向けに作られた、「いないいないばぁ」「おかあさんといっしょ」「みいつけた」から、季節の移り変わりを感じました。夏の歌から秋の歌、そして冬の歌へと、テレビを通して温度を感じ取りました。小さな子どもはカレンダーを読むことができません。まあ、読む必要もないかもしれませんが、1週間が終わる感覚を感じ取ることができる唯一の手段がテレビでした。コーナーが微妙に変わっていたり、5分間のアニメが日替わりに放送されるEテレの番組は娘にとって必要に感じました。

入院と普段の生活の落差を少なくするために

また、録画やDVDではなくリアルタイムでテレビを見ることで、

入院が普段の生活の地続きであると感じさせる

これは、多くの方には当てはまらないかもしれません。娘は入院回数が多いので、テレビをリアルタイムで見ることは余計気を使っています。と、いうのも入院が特別なことであればあるほど、精神的なダメージが強い気がするのです。そこで、普段家で見ているテレビと同じ時間に同じ番組を見ることで、安定した状態を保つことができるのではないかと考えました。

 

心理学を学んだわけではなく、統計的なことは分かりませんが、長期入院が続くと多くのお子さんはだんだん笑顔が少なくなっていくのを感じました。また、子どもたちは自分の好きなアニメやコンテンツに異常に執着する状態になりがちです。辛い入院生活を乗り切るために物語の世界に没頭するのは仕方がないことかもしれません。娘もそんな時もありました。でも、好きな物語の世界だったはずなのに笑顔が出てこないのです。入院中、一人でぶつぶつ物語の世界だけをつぶやくような時が3・4歳の時にあり、「これはまずいっ」と焦りました。

それ以来、なるだけ、普段通りのEテレを見せ、一緒に遊ぶ時間を必死で確保しました。子どもの好きなコンテンツだけを、好きな時間に好きなだけDVDやスマホタブレットで見せることは一時的な気持ちを紛らわすには効果的かもしれませんが、入院期間が長いと娘にはとても不安でした。普段通りの時間に普段通り見せることが結果的に良いような気がしました。

 

辛い検査と治療を乗り越えるために

さらに、好きなコンテンツが見られるDVDやスマホタブレットは、

辛い検査・治療の時にとっておく

娘は注射は大丈夫なくせに、レントゲンやエコーが全然ダメな時がありました。そんな辛い検査の時に、とっておきのお気に入りコンテンツで”つって”、処置室に押し込みます。入院中、大好きなコンテンツに触れる環境を制限していると、おとなしくしてほしい”ここぞ”というときに、効果を発揮します。

正確な検査は、早く退院する近道です。正確に検査を行えるようにするには、子どもの落ち着いた精神状態です。それが、まあ難しい。検査が正確にできないために、新たな治療がスタートできなくて苦労するという大人では考えられないようなことがあります。そのために、”ここぞ”というお気に入りコンテンツは、隠し玉としてとっておきました。

 

これからの入院中テレビ問題

現在は、まだ病院内で子どもにインターネットテレビを見せることが難しく感じます。ポケットwifiのようなものが、院内で使えるのかどうかは、病院によって異なりますし、季節と日付を感じさせるような番組はまだインターネットではなかなか発見できません。(2017年秋現在)

1週間程度の短期入院なら問題ないかもしれませんし、小学生高学年くらいにでもなれば状況は違うと思いますが、幼児の長期入院だったら私はテレビを活用したいと思います。

でも、急速に発展していくインターネットテレビ。今後、入院中の娯楽も大きく変わっていくことには間違いありません。数年したら、もう、テレビは見ないでインターネットテレビで乗り切ます。なんていう記事を書いているかもしれません。

すでに、大人の病棟では、テレビカードは買わない方だって増えているんじゃないでしょうか。会社が倒産して病院のテレビがなくなってしまう前に、テレビカードの価格やシステムについて見直してほしいところです。

 

おわりに

ついつい、「入院中だから特別ね」という場面が増えていきます。短期間の入院ならそれでも良いと思いますが、長期になると家で暮らしているのか病院で暮らしているのか分からなくなります。それに、娘のように頻繁に入院する場合、退院して、終わりではありません。

そのため、どうやって、入院生活を普段に近づけるかを意識して過ごしてきました。その結果、テレビとの付き合い方を真剣にいろいろ考えてきました。この記事は、そんな長期入院を強いられる幼児期の娘の記録なので、多くの方には当てはまらないかもしれません。けれど、同じようなことで悩んでいる方の考えるヒントになればと思い書いてみました。この記事を必要とするご家庭が少ないことを祈っています。

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今週のお題「私がブログを書きたくなるとき」

この「かばのはこ」は、娘の病気に関する私の気持ちの整理する場所です。つい、先日も入院してきました。元気な時は書くことが浮かばないくせに、調子が悪くなるとなんだか書きたくなります。そんな気ままなブログなのに、定期的に読んでくださる方がいると思うだけで励みになります。ありがとうございます。

*もう一つのブログ「こどものあそび観察日記」では、娘の元気な時の様子を切り取って書いています。