一番しんどかった状況
娘を出産し、娘が1歳になると同時に仕事に復帰しました。ところが、日々の生活に慣れたころ病気になってしまいました。
娘の病気は難病疾患の類に入るちょっと厄介なものです。見た目は健康そのものですが、医療行為は必要ですし、治ることはなくその病気と一生付き合わなければなりません。病気が発症した時は症状が大変重く、歩くこともできなくなり顔も娘のものとは思えないほど痛ましい状態になりました。また、入院した病院は患者が幼児の場合24時間の付き添いが必要でした。そこで、私が仕事を休み、病院で寝泊まりしながら看護することとなりました。数か月間点滴が外れず、終わりの見えない日々を送るのは大変つらいものです。さらに、仕事をこれ以上休めないという限界が来たときは、目の前が真っ暗になりました。
そんなときの夫の言葉
それは、
「娘よりお母さんの方が心配だ」
お見舞いに来るときはまず、「お母さん大丈夫か?」と聞いてくれました。
夫曰く、
「お母さんが元気なら、娘は何とかなる。」
子供が病気になると、当然意識は子供に向かうはずです。けれど、夫が言うには、
「お母さんの気分を上げるほうが結果的に子供のためになるから、、」
とのことです。
娘の病気が改善に向かわず、病院で寝泊まりするようになって3か月が過ぎたころ、子供とともに私もご飯が食べられなくなり夜も眠れなくなっていました。そんな時に、この言葉は胸に響きました。
結婚生活も10年をこえました。何もないわけではありません。喧嘩もしましたし、家出もしました。夫への不満もいろいろあります。でも、いろいろ帳消しにしたくなるくらいジーンときました。きっと、夫からもらってうれしかった言葉BEST3に入ると思います。
お子さんが入院し病院で過ごしているご家族の皆さんへ
慣れない入院は子供だけでなく、付き添いをする家族も疲弊させます。検査・治療で暴れる子供を支えるのはしんどい。さらに、閉鎖的な空間と慣れない環境・不自由な生活が、精神をおかしくさせます。
病気のことをどんなに心配しても、子供の病は治りません。特に、小さなお子さんの場合は、付き添いをする家族の精神状態を安定させることが、検査・治療をスムースに行える鍵となり、子供の体力を温存させることにつながるのじゃないかと思います。付き添いが交代できる状況がベストですが、もしそれがかなわないのならパートナーの話をできる限り聞いてあげてください。
それは、長期入院でだけでなく、短期の入院でも同じです。むしろ、突然の短期入院のストレスの方が、家族全員にダメージを与えるかもしれません。子供が辛そうにしている姿はとてもかわいそうで、ついそちらにばかり目がいきがちですが、入院してしまえば子供のことを見てくれる大人はたくさんいるのでなんとかなります。それより、病気の子供を支える大人がつぶれないようにすることが一番大切です。
おわりに
幸い、娘は1歳の半分を病院で過ごすだけで家に帰ることができました。けれど、仕事は続けられず私は退職しました。その後もたくさん入院治療をして過ごしていますが、無事4歳になりました。おかげで調子のよい日も増えてきて、入院回数も減ってきました。
病気になったときは、どうか、この子の命だけでも!と思いましたが、調子が良くなるにつれ欲が出てきて、どうか他の子と同じ生活ができますように!!なんて、思ってしまいます。まだまだ、入院治療はこれからも必要ですが、楽しそうに毎日を過ごす娘を見ると、辛かった日々のことを忘れそうになります。これから、少しずつ思い出したことをまとめていこうかと思います。
*もう一つの日記では、なるだけ病気には焦点を絞らず書いていますが、同じ娘の日記です。